こんにちは、パーチェ特許知財事務所の弁理士 田邉陽一です。
まだまだ暑い日が続きますが、皆様お元気でお過ごしでしょうか?
私は、特許事務所を立ち上げてからは
長期休暇を取ることはかなり困難ですが、
この夏はとても楽しみなことがあります。
それは、隙間時間(※例えば、土日等の夕食後とか)に、
子供と「昆虫観察及び採集」に行くことです。
お目当ては「カブトムシ」と「クワガタ」です。
最初は息子達の付き合いでしたが、
ある日、樹液に群がるカブトムシの群を目にして、
私も知らない間に童心に帰っておりました。
忘れていた「少年の日々の記憶」を思い出した瞬間です(←?)。
だんだん楽しくなってきたので、
カブトムシをおびき寄せる「バナナトラップ」というものを調製しようと思い
調べていたところ以下の特許公報を見つけました。
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【特許番号】特許第3193330号
【登録日】2001年 5月25日
【発明の名称】昆虫の誘引剤及び餌
【特許請求の範囲】
【請求項1】 糖類100重量部に対して、バニリン類を0.03~0.35重量部、マルトール類を0.015~0.17重量部、炭素原子数2~4のアルコールを1~17重量部含有することを特徴とするクワガタムシ及びカブトムシの誘引剤。
【請求項2】 バニリン類がバニリン、マルトール類がエチルマルトール及びアルコールがエタノールである請求項1記載のクワガタムシ及びカブトムシの誘引剤。
【請求項3】 請求項1又は2の誘引剤を含むクワガタムシ及びカブトムシの餌。
(※ 特許第3193330号公報よりの引用)
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従来技術であるバナナトラップ法は、
バナナ(糖類)に焼酎(エタノール)を入れて、
イースト発酵させたもの(匂うもの)を餌に樹皮に塗って使います。
本件特許では、これに加えて、
バニリン等の揮発性の誘引成分とマルトール類を入れることが
特徴のようです。
実施例を見ますと、対照に比べて
カブトムシとノコギリクワガタの観察頻度が
大幅に向上していることが示されていました。
なるほどです。
そういえば、市販の昆虫ゼリー等も、
揮発芳香のある良い匂いがするものがあります。
きっと、カブトムシが好きな匂いなのですね。
(※ 写真は、上記特許発明の実施をしたわけでなく、
クヌギ樹液に自然に集まっていたカブトムシです。
子供達のために2ペアだけ採取しました。。)
(Written by 田邉陽一)