生物関連発明の特許出願 ~「受領番号」での出願

特許

こんにちは、パーチェ特許事務所の弁理士 田邉陽一です。
生物関連発明の特許出願を行う際には、特許に関する生物寄託機関(NITE、IPOD)に生物(細胞等)を「寄託」する必要があります。
この時、当該機関から「受託証」が発行されるのですが、、
この「受託証」、寄託手続を行ってもすぐに発行される書類ではなく、寄託した生物(細胞等)の生存確認(培養試験等による確認)がなされて、証明書発行の準備がなされた後に発行されます。。
、、この流れでなんとなくお分かりと思いますが、
現行の生物寄託制度では、「生物寄託」を行ってから「受託証」の発行までに、
どうしても数週間の(生存確認に時間を要する植物細胞等の場合はもっと長く、、)タイムラグが生じてしまいます、、。
この点、どうしても出願を急ぐ事情がある場合には、
寄託手続を行った際に発行される「受領番号」を明細書に仮に記載して特許出願を行い、
後日に受託証を入手したら、物件提出書等で「受託証の写し」を書面提出する対応が、実務的には認められています。
出願期限がシビアな案件の場合、柔軟な対応が求められるケースもあり、、
全体的な事情を考慮して明細書を作成することも重要となります。
(最近の実務経験の観点からのお話しでした、、。)
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最近、知財・科学関係で気になった話題です!
● 原出願が審判係属中の分割出願に対する審査中止の運用(特許庁)
https://www.jpo.go.jp/system/patent/shinsa/general/bunkatu-shutugan_chushi.html
令和5年4月から、一部の分割出願のうち出願人又は代理人から申請がされた案件について、原出願の前置審査又は審判の結果が判明するまで当該分割出願の審査を中止する運用が開始される。
出願人にとって、原出願の拒絶査定不服審判の結果を踏まえて分割出願の対応を検討できることは、より効率的かつ効果的な出願戦略の構築につながると期待される。

● 深海温泉を源とする微生物に分解されない有機物(東京大学)
https://www.aori.u-tokyo.ac.jp/research/news/2023/20230213.html
深海熱水から溶存黒色炭素が供給されていることを発見との報告。
海洋に存在する難分解な溶存有機物の総量は大気中の二酸化炭素の総量に匹敵し、その起源や生成メカニズムはよく分かっておらず、炭素循環におけるブラックボックスとされている。
本研究成果は、難分解な溶存有機物である溶存黒色炭素が深海熱水域から供給されている事を明示しており、炭素循環における溶存有機物の役割を理解する上でも貴重な知見になるとのこと。

● 身近にいた新種の微細緑藻類(JST)
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20230127/index.html
メダカや金魚の飼育水槽にいる藻類を固形培地に線画培養を繰り返すことによって、新種の淡水性緑藻「メダカモ」を発見したとの報告。
メダカモは直径わずか1μmの微細藻類であり、光により同調培養が可能とのこと。
ゲノム解析の結果、このメダカモは遺伝子を7629個しか持っていないことが判明し、淡水性緑藻の中で最も少ない遺伝子数を持つ緑藻であるとのこと。

(上記は、2023年3月時点での情報を基にした文章です。将来の制度変更等にはご留意いただけますと幸いです。)
(Written by 田邉陽一)

画像提供元: http://www.photo-ac.com/

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