こんにちは、パーチェ特許事務所の弁理士 田邉陽一です。
ここのところ、あまりに多くの出願の審査対応に追われて日々を過ごしていたところ、事務所のホームページがほぼ放置状態となっていたことに気づきました。
これはいけない、初心を忘れてはいけないと思い至りました。。
2022年も仕事始めになりましたので、心を新たにして更新も心掛けて参りたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします!
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最近、知財・科学関係で気になった話題です!
●マドプロ商標出願:国際商標登録出願の登録時のデジタル化
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/hokaisei/tokkyo/tokkyohoutou_kaiei_r030521.html
令和3年特許法等の一部を改正する法律によって、国際商標登録出願(マドプロ経由の外内商標出願)が登録査定になった際の手続や通知送付等が簡素化されるとのことです。
具体的には、i)登録証のデジタル化送付(※これまでは紙での登録証送付)、ii)個別手数料の出願時1段階納付(※これまでは出願時と登録時の2段階納付)、と変更されるようです。
ただ、これは登録時の変更で、出願段階の指定官庁(日本特許庁)への手続がデジタル化されるわけではないようです。
昨年、当事務所でも米国事務所からこのケースの中途受任の依頼があったのですが、委任状だけでなく補正書と意見書を含めて全てが「紙」ベースでの対応だったのでなんだか新鮮でした。
(この受任案件は、拒絶対応を行って登録査定となりました!)
●特許庁J-Plat-Pat:再公表特許の廃止
https://www.jpo.go.jp/support/j_platpat/haishi_202201.html
日本語でなされたPCT出願が日本へ国内移行された場合、WIPOでの国際公開とは別途に、特許庁J-Plat-Patから再公表特許として(形式的には公報に見えますが厳密には特許公報ではない、、)公開されていました。
令和4年1月からこれが廃止されるとのことです。
先行特許調査等を行う場合、有料データベースを使えば国際公開の検索も比較的容易と思いますが、J-Plat-Patでは特許公報(特許成立した後に発行される公報)が発行されるまで検索できなくなるのでしょうか。
ちょっと残念?
●塩の結晶の角が分数電荷を持つことを理論的に解明
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20220105/index.html
東京大学と科学技術振興機構(JST)の研究成果で、身近な結晶に潜むトポロジカルな性質を発見したとのことです。
今回の発見は、塩化ナトリウムに限らず他のイオン結晶も同様に、角や表面に局在した電荷を持つことを示唆するため、産業・工業的応用上のさまざまな場面におけるインパクトが期待されるとのことです。
●「富岳」を用いた1万超の原子を含むナノ物質の超高速光応答シミレーションに成功
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20220106-2/index.html
筑波大学、神戸大学及び科学技術振興機構(JST)の研究成果で、約6ナノメートルの厚さを持つ酸化ケイ素ガラスの薄膜と高強度なパルス光の非線形光応答を調べることに成功したとの報告です。
光科学現象は私の専門外なので深くは分からないのですが、シミレーション計算の応用可能性の広さを感じました。
(Written by 田邉陽一)